可児市総合会館2階にある市民公益活動センターMeetsです! 可児市内の団体の活動内容や、Meets主催の講座の様子などをブログに書いています☆

団体活動紹介⑯~グリーフサポートぎふ

9月11日、可児市瀬田の光蓮寺に行き、グリーフサポートぎふ主催の「こころの教室」に参加、取材してきました。

グリーフサポートぎふは、大切な方の死などの大きい喪失を経験した時に、自分の心身にどのような反応や影響があるかを学んだり、喪失体験を分かち合えるような場づくりを通して、日常の中で「なくしたことを大切にできる時間」を作りたいという願いの中で作られました。

光蓮寺の副住職で、グリーフサポートぎふの代表、五藤広海さんが、一般社団法人リヴオンでグリーフケアについて学び、可児市でグリーフにまつわる場づくりに取り組むため、このグリーフサポートぎふを設立しました。

 

早速現地に向かいます!

可児市瀬田のカインズ可児店と瀬田幼稚園の間の道を、明智城跡に向かって走り、細い道を少し行くと、広い光蓮寺の駐車場が見えてきます。

そこに車を停めてお寺の中に入っていきます。

階段を登って、本堂に入ります。

本堂の中にはテーブルとイスが並べてあり、テーブルには資料やお茶、お菓子、色鉛筆などが置いてありました。

優しいギターのBGMが部屋の中に流れていて、慌ただしい日常を忘れるようです。

参加者が一人、また一人・・・とやってきました。

毎回市内の方だけでなく、市外、県外からも参加されます。

今日、呼ばれたい名前を紙に書いて、その名札を首に掛けます。

五藤さん(ごっちゃん)はファシリテーターといって、この場を進行する存在で、参加者の一人でもあります。この場づくりのお手伝いの石田さん(ダーさん)とサエキさんは、準備や受付、案内などを担当しており、五藤さんと同じく参加者の一人です。

五藤さんは参加者に学びの場を提供してくれますが、自身も参加者から学ぶことがあると言います。

本日のこころの教室のテーマは「イロイロな感情 共通性と個別性を知る」です。

まずは、今の心身の調子を色で表そうという問いに、みんなが答えていきます。

その後に、五藤さんから自己紹介、こころの教室の背景やチラシに関する案内、このこころの教室で大事にしていることのお話がありました。

それから、「グリーフ」についてのお話です。

「グリーフ」を辞書で調べると、(死別などによる)深い悲しみ、悲嘆、苦悩、嘆きなどと出てきます。

ここではグリーフを、大切な人、ものなどを失うことによって生じるその人なりの自然な反応、感情、プロセス、と定義します。

グリーフは、心理的、身体的、社会的、認知的、スピリチュアル的など様々な影響を与えます。

悲しいだけではなく、自分を責める、疲れやすい、涙が止まらない、人と会いたくない、失ったことの否認、神や仏に疑問を感じたり、怒りを感じたり・・・などです。

死別以外にも、失恋、けが、病気、引っ越し、物の紛失などでもグリーフは生まれます。

死別・喪失の後、時間が経つごとに調子が上がる場合もあれば、大切な人の命日などの記念日で調子が下がるなど、気持ちが揺れ動く場合もあります。

そして、次はイロイロな感情についてのワークをやりました。

1人2枚、正方形の付箋紙を配られて、そこに大切な人を失ったときに生まれてくる感情を書き出しました。

全員から集めた付箋紙をホワイトボードに貼り、みんなで共有します。

その後、五藤さんがその中から4枚選びました。

「さびしい」「いとしい」「自分が悪い」「なんでなんで・・・」の4つです。

五藤さんがゆっくりその言葉を読み上げるごとに、参加者は頭に浮かぶイメージを色や形で自由に表現していきます。

私は「さびしい」では青っぽい色、「いとしい」では大きなピンクのハート、「自分を責める」では黒い人の形に黒いオーラをまとわせた絵、そして「なんでなんで・・・」では、薄いグリーンでハテナマークを描き、黄色の色鉛筆で縁取りました。

描き終わったら、全員移動して床に自分の描いた絵を並べて、みんなで鑑賞します。

同じ「さびしい」でも、やわらかい円を描いた人もいれば、暗い闇のように黒く塗った人、茶色のトゲトゲのようなものを描いた人、さまざまです。

でも、全体的に寒色系が多いという共通点がありました。

まるで指紋のよう。

指紋はひとつひとつ違うけれど似ている。

これを、個別性(あなたとわたしの悲しみ・感情は違う)と共通性(わかるような気がする・何か似ている)といいます。

この感情ワークのあと、感情の種類や感情の対処についてのお話があり、苦手な感情が出てきたときに、それを避ける方法をもっておくのも良いことですよ、というお話を聞きました。

最後に、一般社団法人リヴオンがつくった、「大切な人をなくした人のための権利条約」を五藤さんがゆっくり朗読してくれました。

五藤さんはこうおっしゃいました。

「大切な人を亡くした時、周りから大変だね、早く元気になるといいね。と、状況が良くなることを望み、励まされることがあるけれど、こころの教室では、亡くした人のことを想う時間を大切にしてほしい、そして、自分の状態を知り、自分のことを大切にしてほしいと願っています。

そして、こころの教室には、今の悲しみや苦しみを乗り越えるために通ってもらってもいいし、しんどくなったから来る、でもいいです。逆にしんどいから、しばらくお休みします、でもいいですよ。ここはみなさんにとって、いつもひらかれている場でありたいと思います。」

最後に参加した人たちで輪になって、今日の感想を共有しました。

「今まで自分の感情を抑えていたことに気づきました。今日、ワークを通して自分の感情を表現できてよかったです。そして、人によって表現が違うのは、面白いなと思いました。」

など、一人一人感想を話していきました。

 

是非グリーフサポートぎふのホームページをチェックしてみてください。

↓      ↓      ↓

www.gri-sapo-gifu.com

ここは、大切な人やものを亡くした人たちが、それによって生まれた「グリーフ」を学び、ワークを通して自分が感じていることを表現し、聴きあう場所です。

私は、大切な人、ものを亡くしたことによって出てきたネガティブな感情はあまり良くないのだと自分を抑えていましたが、そのネガティブな感情も自然なことなんだ、ありのままに表現していいんだと気付かされました。

そして苦手な感情が出てきてしまったら、自分なりにそれを避ける方法、例えばマッサージをするとか、音楽を聴くとか、甘いものを食べるなど、良い方法をもっておくことも大事だと分かりました。

 

こころの教室は、学びの回と表現の回と毎月順番に開催しており、次回は12月18日㈰の15:00~17:30の、表現の回③です。※チラシの開催日が変更になりました。

✕12/11㈰ 15時~

⇒〇12/18㈰ 15時~

お申込はグリーフサポートぎふのWEBサイトまたはメールからお願いします。

是非、みなさん参加してみてくださいね。